和泉宏隆 韓国ツアー ツアー・レポート(絵日記)
 
主な登場人物
9/27 (水)
9/28 (木)
9/29 (金)
9/30 (土)
10/1 (日)
10/2 (月)
10/3 (火)
プロモツアー
10/2/2006(月)  
   
8時起床。9時出発。絶好のドライブ日和り。片道4時間日帰りの強行軍に駆り出されたドライバーは、クリスの親戚のチョン・スンホァン君。12人乗りのワゴン車とはいえ、ラゲッジ・スペースがあるわけではないので、楽器と7人でぎゅうぎゅう。独断と偏見で一番後ろの席に陣取り横になる。一路、韓国で3番目の都市、デグウを目指す。
途中サービス・エリアで食事休憩。みな思い思いのものを食べる。私はとんかつ定食。味、価格とも、日本のSAと同じレベル。14時半すぎにデグウに到着。
食事の時以外ほとんど爆睡していて、目が覚めたら放送局の駐車場だったので、4時間も走った気がしないが、ブサンまであと車で50分と聞くと、結構下まで来たもんだと感慨深い。
10月2日 デグの高速道路出口

デグウのMBCは近代的で立派な建物の大きな放送局。今夜の公開収録は1時間番組として韓国南部の10都市で放送予定。これまでは国内の歌手が中心で、外国人の出演は初めてとのこと。よし、やったるでぇとばかりに、まずはスタジオの下見に行く。

ミーティング風景

う〜ん。またもや椅子が高い。固定型で47cmはありそう。リハーサルまでになんとかしてくれるようにお願いする。そしてなにより問題はピアノ。アイボリーのヤマハのベビー・グランドは、20年以上はたっていそうな代物で、ベテランらしき調律師さんが真面目に仕事をしてくれていることは理解できるのだが、たぶん、いくら調律しても、きちんと合うことは決してないのだろうなぁ‥というあきらめの境地。

リハーサル風景

サウンド・チェックまでの短い時間に、大道具さんが椅子を作ってくれる。といっても、木の箱に白い布を張ったもので、マンモスの頭蓋骨でも入っていそう。あるいは、手品でも始めたくなる雰囲気。「はい、鳩が出まぁ〜す」なんちて‥。
時間だけは余裕があったのと、とにかくあまり使われていない古いピアノということもあって、軽く流さずに、真剣に全曲リハーサルをする。そうして狂ったものをリハのあと再調律すれば、本番では狂いにくくなるかも?という賭けに出てみたのだ。リハが終わると、予想どおりガタガタで悲しい状態。調律のおじさんはどこ?え?近所にいるはず?早く呼んできて!たのむよぉ〜

 

オーソドックスながら照明は非常に美しかった
気を取り直して、局内の日本食レストラン、ももやで食事。(しかし食べてばっかりだなぁ‥)
通訳のジョンさんと聖くんがビビンパにした以外は、全員幕の内のようなももや弁当を注文。6人前まとめて、という注文はめずらしいのか、ゆうに40分は待たされるが、味の方はなかなかのもの。
リハーサル、椅子は白い布貼りの箱であります!
食後、急いで着替えて、軽くメークしてもらって、私だけロビーのようなところでインタビュー。
インタビュー直前にメイク
デグウの街の印象は?(駐車場しか知らないんです‥)。
どうやって作曲しますか?(作るのではなく、そこに流れているものをつかまえるんです‥)。
あとは料理の話など、なかなか興味深い質問が続いた。

ロビーでインタビューです

そしてあわただしく本番。300人の熱狂的拍手に迎えられて舞台に上がると、見たこともない椅子が!もともとのものよりは少し低いけれど、それでも高すぎる。たぶん見栄えを気にしたスタッフが気を効かしてくれたつもりなのだろうが、これでは弾けない。「僕の椅子を返して!」と叫んで、舞台袖から白い箱が出てくると、聴衆は「なんじゃあの箱は?えっ、あれが椅子なの?」とびっくりしている様子。手品でも見せてあげたいと思いながらもそうもいかず、気を取り直して、ハートランドを弾きだす。イントロの三つめの音、つまり最初の和音で、ピアノに関する賭けが決定的に誤りだったことを思い知らされる。風前のともしびだったピアノに、リハでとどめをさしてしまったのだ。おぉ〜なんという悲劇!
それでも気を取り直して、そこに鳴っているはずの、正しい音程を胸の内にうたいながら、丁寧に弾いていく。間奏の細かいパッセージも85点ぐらいで弾けた‥と、思ったその時、片言の日本語を話すADが、とんとんと肩を叩いて、「悪い音がありましたから、もう一度弾いてください!」
なぬ〜?  俺は帰るぞ!とまでは云わなかったが、何やら叫んだ覚えはある。
すべてが終わったあとに事情を聞いたところによると、再調律の際に調律師さんがマイクに触れてしまい、あさっての方向を向いてしまっていたのに気付かなかった由。だったらちゃんと説明しろっつうの!
とほほほほ‥

とにかく、気を取り直して、もう一度ハートランド。おう、なんという不協和音! それでも気を取り直して(なんど気を取り直せばいいんだろう?)、弾き続けるも、例のパッセージは70点の出来。哀号!
しかしながら、それからの演奏はトリオにせよカルテットにせよなかなかの出来だった。なにしろ、万が一の時はいつでもやり直せると思っている訳だから、恐いものなしだ。普段弾いたこともないようなフレーズが次々と湧き出て、爽快痛快!

本番中
途中で、司会者(というかタレントさんというか‥)が出てきて、視聴者からの質問を私にして、それに答える、というコーナーがあったのだが、なんというか、バラエティ番組というか、お笑いというか、う〜む‥、とても面白かったとだけ云っておこう。
司会者を交えてのトーク・コーナー
即興で今夜の気持ちを曲に・・・に応える和泉
幾多のトラブルを乗り越えての熱演!

 

アンコールでみんなで宝島をやったあと、ソロでサガを弾く予定だったのだが、前代未聞のガタガタの調律で、到底演奏不能、キャンセルする。

終了後、スタッフの皆さんから度重なるトラブルに対して丁重な謝罪があったが、過ぎてしまえば楽しい思い出とばかりに、「いやぁわかってもらえばいいんですよ!」と鷹揚な私。

和泉ポジションに構えたメイン・カメラ
   
4人での演奏風景
アンコールたからじま、観客全員総立ちでの演奏となりました

最後の夜をソウルですごすべく、すぐにでも帰ろうと思っていたのだが、やはり4時間のドライブの前に乾杯だけはしようということになって、結局、プロデューサーのチョイさんが一席設けてくださるとのことで、スタッフの皆さんも一緒にみんなでフライデーへ。
ビールで乾杯。チョイさんからは、「ピアノを買い替えますから、是非また出演してください。次回はおいしいものをごちそうしたいので、泊まりがけで来てください」とのうれしいお言葉をいただく。

帰りは何度か休憩(ビールをジョッキで3杯いただいちゃいましたし‥)したものの、それ以外は爆睡。チョン・スンホァン君、ありがとう!


デグのMBCビル

3時前にソウル着。最後の締め括りに、ウンゼ君がセッティングして待っていてくれる店へ急ぐ。パレス・ホテルの近所の、ソウルで一番というコプチャン(牛の小腸)屋さんは、ミノ、ハツ、コプチァンの網焼きが評判だそうで、壁には一面にサイン色紙が‥

ミノもハツも大変な美味だが、コプチァンの、えもいわれぬ滋味‥  言葉ではとても表現できそうにないが、しいて云うならば、どこか微かに鮎のわたに似た風味‥。
ビールで始めてソジュに切り替えて、キムチ、ほうれん草とともに大量のミノ、ハツ、コプチャンをたいらげて、締めのみそチゲが、それはそれは深い味わい。

最後の晩餐、いや朝食か・・
みんなで色紙にサインして、5時の閉店で店を出て、ウンゼ君と再会を約束して、ホテルに戻ってパッキングして、ベッドに横になったのが7時前。そういえば、いたやんが仕事で早く帰るとかで7時にホテルを出ると云っていたのを思い出し、ロビーに降りてお見送り。その後はもちろん、ばたんきゅう。
寝不足、食べすぎの“韓国グルメ・ツアー”ラスト・カット